皆さん、こんにちは。
港区新橋・芝大門で投資家の支援をしている税理士の波多です。
今日のブログでは、「外貨預金と外貨建MMFのどちらがおすすめ?」について、分かりやすく解説していきたいと思います。
2022年7月には、米ドル/日本円の為替レートが140円近くまで円安になりました。
そのため、外貨投資や米国株投資をしたい投資家でも、米ドル買いを控えている投資家もいらっしゃるのではないでしょうか。
個人的には、日本経済とアメリカ経済の差はますます拡大していき、長期的にはさらに円安が進行すると考えています。
個人的な投資方針も含め、主に税制面から「外貨預金」と「外貨建てMMF」の違いを分かりやすく解説していきます。
今後、外貨投資を行いたいと考えているかたの参考になれば幸いです。
目次
外貨投資とは、日本円以外で投資されるものをいいます。
外貨投資として、外国株投資などもありますが、「外貨預金」や「外貨建てMMF」への投資を検討されるかたも多いかと思います。
「外貨預金」や「外貨建てMMF」で課税されるタイミングとして、①利子に対する課税、②換金時の課税があります。
どちらを選択するのか、それには税制面も大きく影響してきます。
以下、「外貨預金」や「外貨建てMMF」の課税方法の違いを中心に解説していきたいと思います。
投資の観点から、主な相違点を比較することを重視して、詳細な損益通算の可否や確定申告の要否は割愛していますことご承知おきください。
外貨預金は、日本円以外の外国通貨で行う預金になります。
外貨投資を考えた場合、まずは外貨預金を検討されるかたも多いかと思います。
具体的には、以下のタイミングで課税を受けます。
①利子に対する課税
外貨預金の利子については、利子所得として20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、地方税5%)の税率で源泉分離課税となります。
②換金時の課税
まず満期時に為替差損益が課税を受けるかは、その後の投資方法等によって異なるため、個別での検討が必要となります。
為替差益が実現した場合には、雑所得として総合課税の対象となります。
一方、為替差損は、他の雑所得から控除することはできますが、他の所得区分と損益通算することはできません。
次に外貨建てMMFとは、格付けの高い短期証券で運用する投資信託になります。
外貨預金と比較して、投資を検討されるかたも多いかと思います。
具体的には、以下のタイミングで課税を受けます。
なお、今回の説明では、公募の公社債投資信託に該当する前提とします。
①利子に対する課税
外貨建てMMFの収益分配金も利子所得として、20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、地方税5%)の税率で源泉徴収がされます。
この源泉徴収で課税関係を完結させることもできます。
②換金時の課税
外賀建てMMFは公募公社債投資信託として、「上場株式等に係る譲渡所得等」として取り扱われます。
譲渡所得の計算上、為替差損益も含めた損益が20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、地方税5%)の申告分離課税とされます。
外貨預金と外貨建てMMFの税制面の主な違いとしては、「換金時の課税」にあります。
外貨預金の場合、総合課税となりますので、その他の事業所得や給与所得と合算した税率が適用されますので、所得が高いかたであれば、税率も高くなります。また、長期間の外貨預金を行った場合、為替差益が多額となる可能性も考えられます。
外貨建てMMFについては、20.315%の申告分離課税とされますので、他の所得の有無に関係なく税率は一定となります。
つまり、どちらの商品を選ぶのかは、①その他の収入の多寡、②どの程度の為替差益を見込むか、によってきます。
個人的には、①毎月②ドル建て③MMFに投資しています。
①毎月購入している理由は、いつが円高なのかは分からないため、ドル・コスト平均法(注)の考え方で毎月購入しています。
(注)ドル・コスト平均法とは、価格が変動する商品に対して、一定金額を定期的に購入していく方法です。
2022年7月には、米ドル/日本円の為替レートが140円近くになりました。
しかし、個人的には将来もっと大幅な円安になると考えて、毎月ドル建てMMFを継続して購入しています。
②ドル建てのMMFを購入している理由は、USドルが一番信頼できる通貨だと考えているからです。
経済面でもアメリカの優位性は続くものと考えています。
③MMFを購入する理由は、長期的に投資をするつもりで、大幅な円安を予想しているからです。
そのため、為替差益が多額になる可能性も考えて、20.315%の申告分離課税が適用されるドル建てMMFを購入しています。
そもそもこんなにドル建ての資産を持つ必要があるのか、という議論もあるかと思います。
個人的には、日本経済とアメリカ経済の差はますます拡大していき、長期的にはさらに円安が進行すると考えています。
仮に円安が進行しなかった場合、それだけ日本経済が強いということだと思います。
その場合には、そもそも本業でしっかりと稼げます。
つまり、ドル資産の購入は、現状では日本国内で働き、日本円で報酬を受けている自分の「一種の保険」と考えています。
そのため、仮に円高に進んで為替差損が生じても、それは「保険料」としてとらえています。
外貨預金と外貨建てMMFの違いを解説させていただきました。
外貨投資については、必要性の有無を含め色々な考え方があるかと思いますが、外貨投資を行う場合の参考になれば幸いです。
なお、繰り返しになりますが、投資商品を選択する観点から、主な相違点を比較することを重視した記載となっています。
詳細な損益通算の可否や確定申告の要否は割愛していますことご承知おきください。
それでは、また次回のブログで!
税理士 波多倫己(はた ともみ)
法人・ミニマム法人の設立や個人事業の開業などスタートアップの支援、海外取引など国際税務の支援に力をいれている事務所です。
新橋・芝大門エリアの国際会計事務所で、新橋・汐留・浜松町・芝大門からアクセス可能です。
中野区に在住していますので、中央線や丸の内線をよく利用しています。
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